December 24


 THE SANTA'S PRESENT for WINTER HOLIDAYS : Mikura Town

 あさ、めがさめたら――

「おはよう拓斗。おっと、メリークリスマス、だな」
 コーヒーをのむパパ
「パンにジャムは塗る? いま目玉焼き焼いてるからね」
 あさごはんをつくってるママ
 ごはんをたべるへやには、きのうママとかざったツリーがひかってる
 ……なんだかおへやがひろいきがするのは、どうしてかな?

「朝ご飯を食べたら、おでかけしよう!」
「どこに行きたい? 拓斗の行きたいところに行きましょう」
「ほんと? それじゃあ――」
 パパとママと僕と、三人でおでかけ
 なんだかすごく、うれしいきぶん

 ゆうえんちへいって、いろんなのりものにのって、おひるごはんをたべて
 おもちゃをかってもらって、ゲームをして、ちょっとつかれてきゅうけいして
 パパもママもやさしくて、いつもみたいにおこったりしなくって、ずっと僕のはなしをきいてくれて――
 それなのに、なんでかな
 なんで、ちょっとだけ、つまんないんだろう

「はい、拓斗。あーんして」
「僕、じぶんでたべれるよ! あかちゃんじゃないもん!」

 そうだ! わかった


 はなちゃんがいない

 はなちゃんが、いない!


 僕のおもちゃをとったり、僕のノートにらくがきしたり、僕のみてるテレビをけしちゃったりするはなちゃん
 僕のあとをずっとくっついてきたり、僕にニコッてわらったり、僕といっしょにご本をよんだりする、僕のいもうと

 僕のはなちゃんが、僕の妹が、どこにもいない!

 はなちゃん、どこいったの?
 いやだよ
 はなちゃんいないと、いやだよ!


「大丈夫だ、拓斗。はなちゃん、ここにいるぞ」
「だあ♪」

 一也おじちゃん、どこからでてきたの?
 なんではなちゃんといっしょにいるの?

「んーっとだなあ……」
「にーたんっ」

 え? はなちゃん、今なんて言った?

「あら、はなちゃん。お兄ちゃんって言えるようになったのね?」
「おお、すごいな、はな」
「え、今まで言ってなかったのか? 朝からずーっと言ってたぞ。はなちゃんは拓斗が大好きなんだな」

 みんながわらってる
 僕も、わらってる
 はなちゃんも、わらってる

 つまんないきもちは、どっかにいっちゃって
 なんだかとっても うれしいきぶん

「さーて。それじゃもう一遊びするか!」
「いいねえ。次は何に乗る?」
「ジェットコースターがいいよ!」
「いーよー♪」

 それからは、あそぶのにむちゅうになっちゃって
 おじちゃんにいろいろきくのわすれちゃったけど
 もうどうだっていいや

「拓斗、三人だけのおでかけ、楽しかったか?」

 うん、たのしかったよ、一也おじちゃん
 でも――

 やっぱり、みんなでいっしょのほうがいい!

Story by seeds



 最後はDEAR SANTA第三弾後半のお話。
 今度は叔父サンタが大活躍のお話です(^^ゞ
 朝から妹がいないことに気づかないのかよ、という突っ込みはご勘弁を(^^ゞ それほど浮かれていたということで。


*BACK*